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車椅子で出かけてみて、見えてきた「バリア」の現実

付き添い支援を行う中で、私たちは日々、ご利用者様とともに街を歩きます。
ある日は病院への通院、ある日は思い出のレストランへの再訪。そうした外出のたびに、「日本のバリアフリー」の現実を、身をもって実感することになります。

「バリアフリー」と聞くと、多くの方が「段差がない」「エレベーターがある」といった物理的な整備を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際に車椅子の方と一緒に歩いてみると、そこには目には見えにくい“生活のしづらさ”が多く潜んでいることに気づかされます。

例えば、商業施設の中。エレベーターは設置されているものの、その場所がわかりづらく、何度も案内図を確認したり、エレベーター自体を探し回ったりするところから始まります。
さらに、郵便局や区役所などの公共施設や、クリニックでさえ、タクシーの乗車場所が車椅子の利用を前提としていないことも多く見受けられます。
病院のような大型施設にはスロープや乗降スペースが整っていますが、ほとんどの場所では、急な坂道や車道と歩道の段差、フェンスの存在が大きな障害となり、結果的に大回りしなければならないケースがほとんどです。
お付き添いの方がいない状況では、こうした障壁がそのまま「外出をあきらめる理由」になってしまいます。

また、雨の日には、屋根のないスロープで濡れてしまったり、ぬかるんだ歩道で前に進みにくくなったりします。最近ではおしゃれなデザインの歩道も増えましたが、表面の凹凸が強く、車椅子での振動が不安定さにつながり、転倒の危険を感じる場面もあります。

「少しカフェに立ち寄ってみようか」と思っても、入口のわずか5センチの段差が心理的な壁となり、「また次の店を探そうか」とあきらめることも少なくありません。

私たちは一緒に悩みながら、工夫を重ねながら前に進みますが、ご本人は日々どれほどの“遠慮”“不便”を抱えて生活してきたのだろうと、胸が締めつけられる思いになります。

ホームモアの仕事は、単に看護サービスを提供することではありません。
ご利用者様の「行きたい」「やってみたい」を実現すること。そしてそのプロセスの中で、社会にある“見えない壁”を一つずつ見つめ直し、問い直していくことでもあります。

車椅子でたった数メートル移動するだけでも、私たちが想像する以上に多くの障害がある。その現実に向き合ったとき、「本当の意味でのバリアフリー」とは何かを、私たちは考えずにはいられません。

“誰にとっても暮らしやすい社会”とは、一部の人のためのものではなく、すべての人のためにあるべきもの。だからこそ、私たちはこれからもご利用者様と同じ視点で、一緒に社会と向き合い続けていきたいと強く思います。

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